MacBook Pro (Retina, Mid 2012)に、Stable Diffusion Web UIをインストールする。- 前編 -

長らく暮らした東京を離れて地方を転々として約11年、あの日から共に暮らし始めたMacBook ProRetina, Mid 2012)との付き合いも、当たり前だが約11年になる。

 

最新のOSはもはや搭載できないし、内蔵スピーカーは壊れてしまい自らの口から声を発することは出来なくなってしまったし、内臓のバッテリーも充電機能を失い電源に繋いでいないと眠りについてしまうし、そのライフラインである電源コードも外装がすべて剥がれて、まるで血管や筋肉の組織が剥き出しかのような状態だし、もはや満身創痍だと言ってもまったく過言ではないが、それでもいまだにぼくと共に日々を送ってくれている。

 

そんな状態の相棒に、Stable Diffusionをインストールすることが出来るのかどうかは、この文章を書き始めた現時点では皆目見当が付かないが、そのインストールへの道のりをここに記す。

 

 

Stable Diffusin とは何者か

 

Stable Diffusion とはなんだ、そしてぼくがなぜ今、愛用のMacBook Proに Stable Diffusion のインストールを渇望しているのか。

 

Stable Diffusion(ステイブル・ディフュージョン)とは、2022年に公開されたディープラーニング(深層学習)のtext-to-imageモデルである。簡単に言えばテキスト(言語)から画像を生成することができる画像生成AI(Artificial Intelligence)の一種、ミュンヘン大学のCompVisグループが開発した潜在拡散モデル(latent diffusion model)であり、深層生成ニューラルネットワーク(deep generative neural network)の一種である。

 

主にテキスト入力に基づく画像生成に使用されるが、他にもインペインティング、アウトペインティング、テキストプロンプトと既存の画像に基づく画像生成(image-to-image)にも使用される。

 

簡潔に言えば、ぼくの指示で絵を描いてくれる人工知能ということ。そしてぼくはこのStable Diffusion を駆使して、そしてさらにはその絵を動かしてくれる動画生成AIと連携して、短編映画を制作しようと考えているのである。

 

その共同制作者が、いまのところは MacBook Pro ただひとりであり、彼にStable Diffusion を搭載してもらえれば、まずは次の一歩への準備が整うのだ。

 

もちろん、画像生成AIと呼ばれるモデルは他にもたくさん存在する。ぼくが使ったことのあるもので言えば、画像生成AIの筆頭とも言われる Midjourney や、後発だかなかなか優秀な Leonardo AI 、最近になって正式版がリリースとなった Adobe の Firefly など、他にもぼくが触ったことのないものはいくつか存在する。ただそのいずれも、フリープランには使用制限があり、有料版にアップグレードしないと継続的な画像生成は望めない。

 

だが Stable Diffusion は、ぼくの知る限りでは現状においては無料で使用制限がない。ということでまずは、このStable Diffusion を選択するに至る。

 

Stable Diffusion をインストールする MacBook Pro の状態について

Stable Diffusion をインストールしようとしている MacBook Pro の状態は以下である。

 

 

補足として、この環境下において Stable Diffusin を使用する手段はいくつか存在する。

 

  • オンラインの Stable Diffusion を使用する
  • Google Colaboratory で Stable Diffusion のWeb UI を使用する

 

オンライン版については、前述の画像生成AIモデルと同様にフリープランと有料プランが存在し、フリープランでは使用制限が設けられている。実際には現段階でまだ使用したことがないのだが、おそらく有料版でないと今回の使用目的にはそぐわないかもしれない。

stablediffusionweb.com

 

Google Colabo に関しては実際に使用を試みてみたが、こちらもColabo自体にフリープランと有料の上位プランが存在していて、現在フリープランでの Stable Diffusion の使用にはブロックがかかってしまっているので、上位プランにアップグレードしないとStable Diffusion は使用できない。フリープランでの Stable Diffusion 利用者の圧倒的な増加がその原因で、Google側でのブロックがかかってしまっている。

colab.research.google.com

 

実際にぼくは Google Colaboratory に Stable Diffusion をインストールしてブラウザで Web UI を立ち上げるところまでは実現できたのだが、前述のようにすぐに警告がでてしまって強制終了。

 

というわけで、最後の望みとして MacBook Pro 自体に Stable Diffusion の Web UI をインストールしてみようということ。改めてだが、この状態の MacBook Pro に果たしてStable Diffusion の Web UI をインストールして、かつ正常に動作するのかどうかはわからない。

 

けれどなにごともまずはやってみないと。

 

でははじめてみよう。

 

AUTOMATIC1111 版 Stable Diffusion Web UI について

 

MacでStable Diffusinを使用する際のツールにはいくつかの種類がある。たとえば、DiffusionBee や stable-diffusion-ui / Easy Diffusion など。今回ぼくがインストールしたいのは、AUTOMATIC1111 版 Stable Diffusion Web UI というものである。

 

AUTOMATIC1111 版 Stable Diffusion Web UI は オープンソースで開発されていて、最も機能が豊富な「Stable Diffusion」のフォーク。 Web UI による基本操作、学習モデルの追加、LoRAの追加学習の利用、GFPGAN を使った顔の修復や高画質化などなど、多くの機能が搭載されている。

 

ぼくは実際に仕事でこの AUTOMATIC1111 版 Stable Diffusion Web UI を使用していて、ある程度使いこなせるレベルにまでは達してるので、ぜひ我が MacBook Pro にもインストールしてみたいのである。

 

Homebrew のインストールからはじめる

 

まず前段階として、Homebrew をインストールしなければならない。

 

Homebrewとは、macOSLinuxWindows Subsystem for Linux で動作するパッケージ管理システムのひとつであり、ターミナルから簡単にインストールやアップデートが可能なアプリケーション、ライブラリ、ツールなどのソフトウェアパッケージをダウンロードしてインストールすることができる。

 

今回はこれを利用して、Stable Diffusion をインストールする。

 

Homebrew のインストールにはターミナルを使用するが、ここではその詳細は省く。検索すればいくらでもインストール方法が出てくるので、ここに詳しく記述する必要はないだろう。

brew.sh

 

次に以下のコードをターミナルに入力してエンターを押す。

 

brew install cmake protobuf rust python@3.10 git wget

 

いまここ、マシンスペックが影響するのかもしれないけれど、ものすごく時間がかかるので、いまここである。

 

まだ終わる予感がしないので、小休止を入れよう。

 

久しぶりに日曜日の午前中からいろんなことを考えて調べて、文章を黙々とカチカチと打って、普段はあまり飲まないコーヒーなんか飲んだりして。さて、気分転換に歯を磨いて、シャワーを浴びて、ワインでも飲みながら、早めによるごはんの準備でもしてみようか。いやワインを飲んでしまったら、続きの作業に支障をきたすので、ワインは日が暮れかかる頃から飲みだそう。

 

この続きは、この投稿に追記するのか、後半として新たな記事にするのか、それは考えていない。

 

To be continued...